PUSHLOGの紹介

導入(データ収集)

IoTの第一歩として、今すぐに導入できる株式会社GUGENのゲートウェイ「PUSHLOG」を紹介します。もともとFA業界にいた私にとって、この商品の簡単さ、便利さには強く惹かれるものがありましたので、最初に紹介します。

目次

PUSHLOGとは

PUSHLOGは、「つけるだけIoTゲートウェイ」という名の通り、非常に簡単にIoT化が実現できる商品です。片手で持てるくらいのコンパクトサイズで、丸みを帯びたかわいらしいデザインです。

PUSHLOGの紹介

PUSHLOGを使うことで、PLC内部のデータや、電力計・温調器といった各種センサ・計器のデータをGoogle Chromeなどのブラウザ上で簡単に見える化することが出来ます。

スライド1

ダッシュボードはPC以外にスマホやタブレットなどのブラウザからでも閲覧することが出来ますし、データをcsv形式で出力することも出来ます。

また、しきい値を設定して範囲外になったらアラームメールを飛ばす、といったことも出来ます。

PUSHLOGの特徴はたくさんありますが、特に強調したい特徴は以下3つです。

①立上げが早い

②プログラムレス

③冗長設計

これらについて順番に説明していきたいと思います。

立上げが早い

PUSHLOGの最大の特徴は、ハードウェア本体に加え、携帯のSIM、クラウドシステムが全てオールインワンで購入時に含まれています。ハードウェア費用に加え、2年分の通信費用やクラウドシステム費用なども全て込みで10万以下なので、比較的導入しやすい価格帯となっています。

スライド2

PUSHLOGは携帯回線×クラウドサーバーの組合せによるIoTゲートウェイですが、この手法を実現する上での課題については以前のブログで書いていますので、こちらも参照下さい。

製造業と遠隔監視
前回の記事にて、遠隔監視における最適な手法は導入のし易さや拡張性などの観点で言えば クラウドサーバー×携帯回線 のメリットは大きいと記載しました。詳しくは下記記事を参照下さい。 ただ、「クラウドサーバー×携帯回線」...

PUSHLOGを使うことで、ここに記載した課題を解決することが出来ます。

なぜなら、既に組み込みやバックエンド、フロントエンドのシステムが構築されているため、仕様検討や設計、検証の手間を大幅に省くことが出来るからです。

スライド3

②プログラムレス

PUSHLOGは、システム構築において一切プログラミングを行う必要がありません。プログラムレスとか、ノーコードとか言ったりすることもありますね。

PUSHLOGを使ってデータ収集する方法は大きく2種類あります。

・RS232C通信:主に各種PLCと専用のプロトコルで通信。

・RS485通信:主にModbus/RTU通信を使って電力計や温調器、ロガーなどと通信。

いずれも、産業用機器では標準的なプロトコルに対応しており、接続機器を選択するだけで対応させることが出来ます。

スライド4

また、どんなデータを収集するかも、収集周期やデータの種類、アドレスなどを指定するだけなので簡単に設定することが出来ます。

スライド5

これらの設定は全て携帯回線を使って書き込まれるので、本体とPCを有線ケーブルで接続したりする必要もありません。PUSHLOGに電源さえ入っていれば、いつでも、どこからでも設定の確認や変更が可能です。

③冗長設計

産業用機器というのは、非常に信頼性高く設計されています。

例えば、求められる要求のごく一例として、

・工場内で発生する静電気や放射ノイズの影響で誤動作しないこと

・電力系が不安定な場合や、瞬停が起きた場合でも自動的に正しく復旧すること

・高温高湿環境や液体が掛かる環境でも正しく動き続けること

などがあります。

世の中の一般的なIoT機器ではこういった産業用機器に求められる要求品質が十分で無いものも沢山あります。特に、民生用のIoT機器から派生して出来た商品などは機器はなおさらです。

これに対して、PUSHLOGは産業用機器で求められる要求品質を十分満たす設計となっています。

例えば、携帯回線を使っている以上、電波障害などは起こり得るものです。

その場合でも、PUSHLOGは内部のメモリにデータをため込み、電波障害が解消した後にまとめてデータをクラウドにアップすることで、データの欠損を最小限に抑える、といった設計になっています。

もちろん、そもそも電波障害が起にくいアンテナ設計や、放射ノイズ等の影響を受けないようにするノイズ設計などもしっかり行われています。

以上、PUSHLOGのメリットばかりを記載しましたが、もちろんデメリットもあります。

それは、システム(データ収集周期や収集点数)、ダッシュボードなどが既に標準で構築されているため、画面をカスタマイズしたりすることが出来ない、という点です。

こういったカスタマイズが必要な場合は、別のBIツールを使用したり、元々のシステムに組み合わせていく必要があります。

但し、ここでは詳細割愛しますが、PUSHLOGを使ってクラウドに溜まったデータはWeb APIを使って外部データに取り込むことも出来ますので、追加のプログラミングは必要ですが、手間と時間、もしくは費用を掛ければカスタマイズすることも可能です。

まとめ

PUSHLOGは簡単にIoTを実現できる優れものです。

スモールスタート的に、まずは気軽にデータ収集や遠隔監視を始めてみたい、という場合にはピッタリの商品だと思いますし、それ以外にもさまざまな使い方や活用事例があります。

今後は、PUSHLOGの実際の使い方や設定方法、事例などを順次説明していきたいと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました