IoT(Internet of things)というのはあくまで手段であり、それをもって何を実現するかの具体的な定義はありません。
そこで、ここでは一つの例として「遠隔監視」を取り上げたいと思います。
目次
遠隔監視とは
遠隔監視とは、一般的にはカメラやセンサから取り込んだ設備保全などにまつわる情報を、遠距離からPCやスマホ、タブレット等で監視する技術のことを言います。
遠隔監視のニーズ自体は昔からありましたが、コストや技術的要因から同じオフィス、フロアや建物内など、同一ネットワーク内での監視に留まっていました。
近年では無線LANの普及や携帯回線サービスの多様化、またクラウド技術の進化やセキュリティ技術の向上などの技術的変化が大きく、導入の障壁がどんどん下がっています。
また、慢性的な人員不足に加えて、突如現れたコロナ禍によって移動制限や現場の人員削減などが強制的に行われ、遠隔監視の導入を余儀なくされているケースも急増しています。
遠隔監視で実現できること
遠隔監視と一言でいっても、実際の中身は様々です。
製造業における遠隔監視の事例としてよくあるのはこういった内容が多いです。
・定期巡回の削減(主にエンドユーザー)
⇒定期的に巡回の人員を削減できるようにしたい。例えば各種センサや計測器の値を点検表に手書きで書きこんでいたところから、全ての値が自動でExcelに値が書き込まれるようになる、等。
・装置納品後の状況確認(主に装置メーカー)
⇒装置が納品された後にどの程度稼働しているか、また異常が起きていないか、起きているとしたらどんな異常が、どの程度の頻度で発生したかを確認したい。
・お客様対応(主に装置メーカー)
⇒装置で異常が起きたときに原因を把握して早急に対応したい。現場に行ってから状況を確認して対応しようとすると時間と手間が掛かるが、前もってどんな異常が起きているかが分かっていれば、現場に行かなくても対応出来たり、また適切な準備を整えた上で現場に出向くことが出来る。
・メンテナンスサービス向上
⇒消耗品の最適な交換時期を把握し、適切に交換を促したい。過去に異常が発生したデータを蓄積して周期を分析し、実際の運用に繋げる、等。
こういった内容は過去からあるニーズです。
迅速な対応力や作業の効率化といった内容の実現は、あくまで遠隔監視の第一歩に過ぎません。但し、費用対効果が明白なこともあり、スモールスタートでも導入しやすい内容です。
ここから内容を発展させ、実際に人員/工数を削減したり、競合との差別化を図ったりすることで、より効果を拡大させていくことが出来ます。
そして更に重要なのは、ここから事業や経営方針に連動させていく部分になります。
具体的には、遠隔監視を使ってビジネスを拡大したり、新しいビジネスや製品を開発することです。この将来的なロードマップを描くことこそが重要だと考えています。
★技術の進化とともに「変化」を実現させていく。
この実現に向けて、役立つIoT/DXの導入や応用事例などをどんどん取り上げていきたいと思います。
コメント